ロコモティブシンドロームの有病率

はじめに

ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)とは、日本整形外科学会が2007年に提唱した概念で、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態1)です。ロコモが進行すると、将来的に要介護リスクが高くなるため、早期発見・早期治療が非常に重要となってきます。そこで今回は、ロコモの有病率がどれくらいの割合なのかについて、ご説明していきます。

ロコモティブシンドロームの有病率

谷口らの研究によると2)

日本の地域在住高齢者2077名(年齢68.3±5.4歳)を対象としたロコモ有症率は36.4%

内訳→ロコモ度1:24.4%、ロコモ度2:5.5%、ロコモ度3:6.5%、と報告されています。

まとめ

今回、ご紹介した論文では、地域在住高齢者のうち、約3人に1人が(36.4%が)すでにロコモを発症しているという結果でした。これらの結果より、年齢から考慮すると仕事などをリタイア後数年で、身体機能の低下を招き、要介護の予備軍に位置している可能性があります。

この有病率より、より早期からの発見・治療が重要であり、ロコモの予防やそれに関連する要介護リスクの軽減が今後非常に重要になってきます。

また別の投稿で、ロコモの予防方法や評価方法、またロコモが及ぼす影響などについてもまとめていく予定ですので、良ければご覧ください。

参考文献

1)Nakamura, K., & Ogata, T. (2016). Locomotive Syndrome: Definition and Management. In Clinical Reviews in Bone and Mineral Metabolism (Vol. 14, Issue 2, pp. 56–67). Humana Press Inc. https://doi.org/10.1007/s12018-016-9208-2

2)Taniguchi, M., Ikezoe, T., Tsuboyama, T., Tabara, Y., Matsuda, F., & Ichihashi, N. (2021). Prevalence and physical characteristics of locomotive syndrome stages as classified by the new criteria 2020 in older Japanese people: results from the Nagahama study. BMC Geriatrics, 21(1). https://doi.org/10.1186/s12877-021-02440-2

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