はじめに
今回、腹囲が膝痛や腰痛と関連する論文について、解説していきたいと思います。最近は、メタボリックシンドローム(以下、MetS)と身体機能との関連についてまとめてみましたが、今回はMetSの診断基準の1つである腹囲と、膝痛や腰痛との関連について、確認していこうと思います。
腹囲は膝痛・腰痛と関連
結論から申し上げると、腹囲が大きくなるほど、膝痛や腰痛の強さと関連を認めています。
対象者
・年齢 : 平均値 68.3 ± 5.0歳
・WC :平均値 75.9 ± 9.9cm
方法
疼痛:VAS
腹囲:臍部で計測
GLFS-25:ロコモの重症度を判定する質問票ロコモ25
結果
腹囲と膝痛・腰痛との関連、また腹囲とロコモティブシンドロームの関連を認めています
・Knee pain r=0.22
・Low back pain r=0.23
・GLFS-25 r=0.25
また腹囲と以下の身体機能との関連についても認めています
・One-leg standing r=-0.33
・TUG r=0.24
・10m歩行 r=0.26
これらのバランス機能や歩行機能との関連については、以前にご紹介したメタボリックシンドロームと身体機能との関連の結果と一貫していますので、
内臓脂肪量やMetSなどの代謝性疾患では、歩行機能やバランス機能の低下が特徴としてあげられるようです。
まとめ
今回は、腹囲と膝痛・腰痛との関連について、まとめてみました。
内臓脂肪量の増加は、膝や腰への負担を増加させる傾向にありそうですね。
今後もMetSやそれに関連した要因と、身体機能との関連については、まとめてみようと思います!
またその後は、どのような介入がMetSや関連要因に有効なのかについてもまとめる予定ですので、楽しみにしておいてください。
参考文献
Muramoto, A., Imagama, S., Ito, Z., Hirano, K., Tauchi, R., Ishiguro, N., & Hasegawa, Y. (2014). Waist circumference is associated with locomotive syndrome in elderly females. Journal of Orthopaedic Science, 19(4), 612–619. https://doi.org/10.1007/s00776-014-0559-6

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