腰痛者に対する腰痛や脊柱の機能を改善するためのコアスタビリティExcerciseとは??

はじめに

今回は、腰痛を持っている方(特に非特異的腰痛の方)を対象に、どのような腰痛体操が痛みの軽減や、運動機能を改善するのかについて、まとめてみようと思います。

ちなみに非特異的腰痛とは、レントゲンやMRIの検査で、明らかな原因が特定できない腰痛のことです。この非特異的腰痛は、腰痛全体の85%の割合を占めると言われており1)、経過として腰痛発症から初めの 3 か月で 33%は症状が改善するものの、発症から1 年経過して 65%は腰痛が残存していたとの報告もあります2)。この結果から考えると、大部分の腰痛者は自然回復するとはいえないといえます。

そこで今回は、腰痛のある方において、器具などを使わなくても自宅でもできる運動をお伝えしようと思います!

痛みの軽減や機能改善に役立つ運動を論文をもとに解説していきますので是非やってみてください!

(ただし、非特異的腰痛はしびれなどの神経症状は少ないと報告されていますので、しびれなどがある方はまずは整形外科を受診されることをおすすめします!)

腰痛者に対する腰痛や脊柱の機能を改善するためのコアスタビリティExcerciseとは??

実際のトレーニング方法

①ドローイン
膝関節を90°に曲げた状態で腹筋に強く力を入れ、その状態を維持する

②サイドブリッジ
地面に前腕をつけた状態で、横向きの状態で体幹を保持する。肩と肘が地面に対して垂直になるようにする

③仰向け伸展ブリッジ
膝と肩が一直線になるまでゆっくりと腰を持ち上げる。頸部ではなく肩で体重を支えるよう注意する。
この静止姿勢を保持した後、ゆっくりと腰を地面に下ろす。

④うつ伏せ姿勢からの直脚上げ
参加者はうつ伏せになり、頭部を腕で支える。参加者は右脚の臀筋とハムストリングスを収縮させ、
脚を天井方向へ可能な限り高く上げる。この静止姿勢を保持した後、参加者はゆっくりと脚を下ろす。

⑤四つん這い姿勢からの交互腕脚上げ
参加者は四つん這いの姿勢をとる。必要に応じて膝の下にクッションを敷く。
腹筋を収縮させて脊柱を安定させる。腹部に緊張を保ちながら、片腕と反対側の脚を同時に上げる。
この姿勢を保持した後、腕と脚をゆっくり下ろし、反対側も同様に繰り返す。

⑥うつ伏せブリッジ
参加者はうつ伏せ肘立て姿勢をとる。参加者は腰と背中を平行な直線姿勢に保つ。

運動の効果は?

痛みの評価は10点満点中、初回5.8点→2.9点へと、痛みの軽減を認めています。

運動機能については最大100%のうち、58.2→36.7%へと減少し、運動機能の改善を認めています。(運動機能の評価はODIを用いています、詳細についてご興味のある方は評価表を検索してみてください)

まとめ

今回は、腰痛、特に非特異的腰痛に対する運動療法(コアスタビリティExcercise)について解説しました。腰痛のもっている方は非常に多く、自然経過ではなかなか治りにくいこともあります。そのため、今回ご説明したような自宅でもできて、器具を必要としないような体操で腰痛を軽減できれば、日常生活も過ごしやすくなるのではないでしょうか?是非一度、ご自宅や皆さんの施設でやってみてください!

ちなみに今回の論文では、コアスタビリティExcercisのご説明をしましたが、コアスタビリティExcerciseにストレッチングを追加した群では、より一層腰痛が軽減したとの報告もされているため、次回まとめてみようと思いますので、お楽しみに。

参考文献

1)Deyo RA, et al:What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA 1992;268:760-765

2)Itz, C. J., Geurts, J. W., Van Kleef, M., & Nelemans, P. (2013). Clinical course of non-specific low back pain: A systematic review of prospective cohort studies set in primary care. In European Journal of Pain (United Kingdom) (Vol. 17, Issue 1, pp. 5–15). https://doi.org/10.1002/j.1532-2149.2012.00170.x

コメント

タイトルとURLをコピーしました