はじめに
今回のテーマは、これですね。「ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)の進行に影響する身体的要因」についてです。
ロコモはなんらかの運動機能障害により移動能力が低下した状態と、2007年に日本整形外科学会にて報告されています。
ロコモティブシンドロームは高齢者だけでなく、若年層においても認められており、早期介入が重要です。また最近では、日本人労働者におけるメタボリックシンドローム(以下、メタボ)発症のリスクファクターとして、ロコモが関連していることも報告されています。
したがって、30~40歳代から移動能力が低下している人は、活動量の低下なども伴って、メタボをはじめとする心血管疾患や脳卒中のリスクも高まることが考えられます。
そこで、今回はそんなロコモの進行に関連する要因について解説していきましょう。
ロコモティブシンドロームの進行に影響する身体的な要因
結論から申し上げますと、
高齢者においてロコモの進行に関連する要因は、「BMI」「疼痛」です。
特に、今回の研究では疼痛のなかでも腰痛や股関節痛がロコモの進行に影響しています。
つまり、体重が重く、痛みを抱えている人はよりロコモが急速に進行しやすいことを示しています。
それではこれらの結果の詳細を確認してみましょう
対象者
2016年から2018年にかけて、地域在住者1,148人(年齢中央値68.0歳、男性548人・女性600人)に対して行われた
ロコモの判定方法
ロコモは、25項目からなる高齢者用ロコモ機能尺度(GLFS-25)で評価
得点が6点以下は非LS、7~15点はLS-1、16~23点はLS-2、24点以上はLS-3
2018年のロコモ重症度が、2016年より高い場合は「進行あり」、それ以外は「進行なし」とした。
測定項目
ベースラインの年齢、性別、BMI(体格指数)、喫煙状況、飲酒習慣、居住状況、自動車利用、慢性筋骨格系疼痛、併存疾患、メタボリックシンドローム、身体活動量、およびLS重症度
これらを群間比較、ロジスティックス回帰分析にて分析
結果
群間比較の結果、
ロコモ進行群は進行しなかった群と比べて、年齢が高く、自動車利用率が低く、腰痛・股関節痛・膝痛の有症率が高く、GLFS-25の得点が高いという結果であった。
またロジスティック回帰分析の結果、
年齢、女性、BMI高値(25.0 kg/m²以上)、腰痛の有無、股関節痛の有無が、2年間におけるLS進行のリスク因子であることが明らかになった。
まとめ
今回は、高齢者におけるロコモの進行に寄与する要因についてまとめました。
その中でも特に重要なのは、ロコモが進行する方の特徴として、
年齢やBMIが高く、女性に多い、さらに腰痛・股関節痛を有している人がロコモの進行しやすいことがわかりました。
したがって、高齢者においてロコモの進行を軽減しようと思っている場合、減量や疼痛へのアプローチがロコモ改善につながる可能性が示唆されています。
参考文献
Risk factors for progression of the severity of locomotive syndrome: A two-year longitudinal observational study J Orthop Sci. 2024 Mar;29(2):646-652. doi: 10.1016/j.jos.2023.02.008


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